「AJINOMOTO PARK」編集部
開発ストーリー新しくなった紙!の「味の素®」
見出し画像

開発ストーリー新しくなった紙!の「味の素®」

「AJINOMOTO PARK」編集部

社名の由来となっているうま味調味料「味の素®」。同じく、長く愛され続けてきた「うま味だし・ハイミー®」。この2製品の詰め替え用パッケージが、このたびプラスチックから紙包材にリニューアルしました!

この取り組みにより、なんとプラスチック廃棄量を年間(2020年度ベース)約12トン減らすことができるんだとか!「この約12トンとは、アフリカゾウ2頭分とも言われているんです」と話してくれたのは、この取り組みに関わった開発担当者の宮坂文浩さん。

紙パッケージへのリニューアル実現には、さまざまな紆余曲折があったのだそう。製品リニューアルの裏側にある開発ストーリーを宮坂さんにうかがいました。

1.2030年度までにプラスチック廃棄物をゼロに

――今回、なぜ「味の素®」「うま味だし・ハイミー®」の詰め替え用パッケージを紙包材にリニューアルすることになったんでしょうか?

ここ数年、世界的に環境への意識が変わってきました。その中のひとつが海洋プラスチック問題。

味の素グループでは、2030年度までにプラスチック廃棄物をゼロにすることを目標に掲げています。「味の素®」「うま味だし・ハイミー®」という当社を象徴する2大ブランドのパッケージを紙にできれば、その目標に大きく近づけると考えたんです。

――味の素社を代表する製品をリニューアルするにあたって宮坂さん自身はどう感じていましたか?

率直に「大変だろうな」と感じました。ただ同時に「実現できたらすごいな、やり遂げたいな」と前向きな気持ちも抱いていました。

しかも、この取り組みには、2021年3月に発売するという目標がありました。発売というゴールに向かって、品質を保ったパッケージ開発が始動したんです。

――食品の紙パッケージというと、昔から小麦粉や片栗粉につかわれているイメージがあります。「味の素®」「うま味だし・ハイミー®」のパッケージの紙化はそんなに難しいものなんですか?

そんなに難しくなさそうと思われますよね。ただ、同じように見える小麦粉や片栗粉とは決定的に異なることがあるんです。

「味の素®」「うま味だし・ハイミー®」の粒子は小麦粉や片栗粉のふわふわとした粒子とは違って、縦長で硬い粒子なんですよ。

――本当ですね!よく見ると小麦粉などとは違うのがよくわかります。

小麦粉や片栗粉のような粒子は、紙パッケージに押し付けられても穴が開いてしまうリスクは非常に低いんですが、「味の素®」「うま味だし・ハイミー®」の粒子は穴や破れを引き起こしてしまうおそれがあります。

こうした理由もあって、このような粒子状の製品の紙パッケージ化が実現されてこなかったんです。

2.頑丈さ・つかいやすさ…理想の紙パッケージができるまで

■生活者に届けるために大切にした3つのこと

――紙パッケージへのリニューアルがむずかしい状況の中で、とくにどんなことを大切にされたのか教えてください!

基本的には、

・長距離の流通に耐えられる破れにくさ
・高温多湿な環境下でも問題のない湿気にくさ
・従来のプラスチック包材と同レベルの開けやすさ

の3つです。

このうち、「破れにくさ」や「湿気にくさ」については、私が営業をやっていた時代にお店の在庫置き場を見ていた経験が役立ちました。製品がどのような環境で、どのように扱われるのかのイメージがつきやすかったので。

たとえば、店舗の改装時などは、重たい製品と一緒に運ばれ、上に1㎏程度の重たい物が重なっていることもありました。そのため、お店でも安心して取り扱っていただけるよう、10㎏の荷重に耐えられるかも確認しました。

■お客さまの目にとまりやすいデザイン

製品のデザインについては、店頭でなじみのある形は変えず、自立する「ワイドトップ型」にもこだわっています。

これが実は非常に大変で。ワイドトップ型を選んだがゆえに発生した課題もあったんです。

――どのような課題があったのでしょうか?

包材の底を折ることで自立するようになっているのですが、そうすると表面にしわができやすくなってしまったり、折り目のすきまに製品の粒がはさまりやすくなってしまったりするリスクが生じるんです。

フラットな形にすればこれらの問題は軽減するのですが、そうすると、店頭に並んだときに製品が寝た状態になってしまい、お客さまの目にとまりにくくなってしまう。「どうしても自立させたいんです」と一緒に包材を開発してくれた研究所、工場のメンバーに説明し、がんばって自立型を実現してもらいました。

■いくつもの壁を開発スタッフ全員で乗り越えて

――大きなリニューアルだからこその開発ストーリーがたくさんありますね…。

あらゆる工程が思っていた以上に大変でした。

包材はあらかじめあたりを付けた19種類から選んだのですが、よさそうだと思って選んだものを実際にパッケージ化するテスト品にしてみたところ、中で粒子が固まってしまったり、2000kmの運搬テスト中に破けてしまったり、しわになってしまったりなんてこともあるんです。

さらに、「これでいける!」と思っても、製造のコスト面でNGとせざるを得なかったことも。

いくら環境にやさしく、品質も担保したパッケージができるとしても、その分製品の価格が高くなりすぎてしまってはよくないですから。

どうやったらコストを抑えられるのか。無理難題とも思われる壁も、パッケージ開発のメンバーが熱量をもって一緒に考え、試行錯誤してくれました。

――無事、目標としていた時期に発売されました。振り返ってみていかがですか?

発売まで残り1カ月の時点で「想定していないところにしわができた」と製品の品質に関して報告を受けるなど、「何度も期日に間に合わないんじゃないか…」と思ったことがあります。

「丈夫さとコストとを両立してほしい」という難しいオーダーに応えてくれたメンバー、「プラスチックのような照りがなくなる分、おいしく見せるにはどうしたらいいか」とパッケージデザインにこだわり続けてくれたメンバーなど、みんなの力が結集してようやく発売を迎えられました。

ただ、発売が本当のゴールではありません。

実際に手に取っていただいた生活者のみなさまのお声なども参考に、改善できる点は改善しながら、2030年度を目標にさらなるプラスチック廃棄物の削減に取り組んでいきたいと思っています。

3.ずぶ濡れにも強い!頑強さチェック

――やはり、紙と聞くと水に弱いイメージが。本当に水にぬれても問題ないのでしょうか…?

「大丈夫です!実際に水につけてみますね」

水の入ったボウルに製品を入れ……

さらには製品を手でもみます。

さて、水からあげてみましょう!

いざ、開封。さて、どうでしょうか…?

サラサラのまま!紙パッケージの頑丈さが証明されました!

「雨の日の買い物でも心配ありませんし、冷蔵庫から常温に出したときにできる結露が中に影響を及ぼすこともありません。安心しておつかいいただけますよ!」と語ってくれました。

4.下ごしらえにも活用可能!担当者おすすめのつかい方

さまざまな料理に活用できる「味の素®」「うま味だし・ハイミー®」。宮坂さんのおすすめは、流行中の「韓国風味つけ卵」だそう。

「個人的に卵料理が好きなのもあるのですが、「味の素®」と卵の相性は抜群だと思うんです!ぜひ試していただきたいレシピのひとつです」

■韓国風味つけ卵

「ほかにも、天ぷらの衣を作るときに「味の素®」を加えると、風味が増しておうちでプロの味が楽しめます。「うま味だし・ハイミー®」はラーメンの出汁やこってりした中華料理に加えてみてください。こちらもうま味が増し、お店のような味になりますよ!」

仕上げに一振りする方も多い「味の素®」「うま味だし・ハイミー®」。実は、下ごしらえにつかうのもおすすめなのだとか。

「魚や肉を解凍するときにつかうのもおすすめ。ぜひ、下味にも「味の素®」「うま味だし・ハイミー®」をつかってみていただきたいです」

5.環境に優しくなったパッケージで、これからも食卓に「うま味」を

発売から100年以上の歴史を誇る「味の素®」、1962年に発売された「うま味だし・ハイミー®」。プラスチック包材から紙包材へのリニューアルには、細やかな工夫や配慮が重ねられていました。

環境に優しくなったパッケージで、これからの100年も愛され続ける製品に。

新しくなった「味の素®」「うま味だし・ハイミー®」で、これからも日々の料理にうま味を添えてくださいね。


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!
たべる楽しさをもっと!
「AJINOMOTO PARK」編集部
たべる楽しさを、もっと。 楽しく食べる情報やレシピを集めたオウンドメディア「AJINOMOTO PARK」のこぼれ話や想いなどをお伝えしていきます。「おいしい」「楽しい」の“もと”をみなさんと一緒に見つけていきたいです。 ※個々のお問い合わせやコメントへの対応はしておりません。