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「だし活+だす活」で青森の減塩を盛り上げよう!

つい摂りすぎてしまいがちな塩分。減塩したほうがいいとわかっていても、味の薄さが気になったり、手間が余計にかかったり…。日々の食卓に取り入れるのはなかなか難しいですよね。

そんな中、味の素社では、うま味やだしの力を活かし、塩分を減らしてもおいしく食べられる「Smart Salt(スマ塩)」の取り組みを行っており、その一環として、青森県庁の「だし活+だす活」に協力しています。

今回、プロジェクトを担当するおふたりにインタビューを実施。「だし活+だす活」の取り組みの内容やおいしく減塩するためのコツなどについて伺いました!

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だしと野菜のちからで減塩を心がけよう!

――そもそも減塩するとどんないいことがあるのでしょうか?

普通に食事をしていても、ついとり過ぎてしまうのが塩分です。 一般的に塩分を摂りすぎると、健康に影響が出てしまうことも…。減塩を習慣化できるとよいですね。

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――難しいイメージのある減塩ですが、どのようにはじめればよいのでしょうか?

二藤部さん:減塩とは 摂取するナトリウム量を減らすこと・摂取したナトリウム自体を体内から排出することなんです。青森の「だし活+だす活」を例にとって説明しますね。

まず「だし」の部分ですが、だしを活用することで、おいしさそのままに食塩摂取量を減らすことができます。減塩をすると、塩味だけでなく風味や厚みも減ってしまい、バランスが崩れて味が薄くて物足りないと感じてしまう方も多いのです。

そこで、だしに含まれているうま味をきかせることによって、減塩しても味が薄いと感じることなく、料理がおいしく仕上がるんですよ。

また、「だす」の部分ですが、尿を出しやすくする作用のあるカリウムを摂ることで、食塩に含まれるナトリウムを排出しやすくなります。カリウムは野菜に含まれていることが多いですよ。

そんなだしとカリウムを活用したおいしい減塩を推奨しようと、行政が中心となって青森県ではじまったのが、「だし活(だしのうま味で塩分ひかえめ)+だす活(野菜のカリウムでナトリウム排出)」の取り組みです。

「だし活+だす活」で青森県をまるごと健康に

――「だし活+だす活」プロジェクトがはじまった背景について教えてください。

二藤部さん:2016年の食塩摂取量ランキングによると、とくに男性に関して東北6県中4県が全国のベスト10に入っているなど、非常に塩分摂取量が高い状況です。寒い地域ということもあり、漬けものなど塩分が多く含まれる保存食をよく食べることが理由のひとつではないかといわれています。

そのため、各都道府県では減塩が大きな課題とされていて、青森県も「どうにか改善したい!」という思いがあったと伺っています。

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出典:2016年「平成28年国民健康・栄養調査報告」厚生労働省

――行政が減塩の取り組みに力を入れるようになったのはいつからですか?

二藤部さん:東北エリアでは、2014年に青森県が「だしを活用しておいしく減塩しよう」と提唱し、「だし活」の取り組みがはじまりました。それがきっかけとなり、岩手県が毎月28日を「いわて減塩・適塩の日」としたり、宮城県が県民テーマに「塩エコ(eco)」を掲げたりしているほか、山形県・福島県も同様に減塩や健康をPRする活動を実施しています。

2016年以前、岩手県は食塩摂取量ランキングでトップでしたが、現在は全国平均に近い摂取量まで落とすことができているなど、取り組みの効果が目に見えるかたちであらわれています。

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行政・大学・流通と一丸となって「だし活+だす活」をアピール

――味の素社の東北支社が青森県と取り組んでいる「だし活+だす活」の活動について教えてください!

二藤部さん:おもに青森県立保健大学の学生さんとともにレシピを考案しています。レシピに使う材料に県産の野菜を使い、スーパーなどの店頭でレシピを紹介するなど、「だし活+だす活」の普及に努めているところです。

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イベント活動にもとても積極的です。青森県の三村知事や保健大学の学生さんとともに、スーパーマーケットでイベントを実施した際には、地元のテレビ局さんに取り上げてもらうなど、行政・大学・流通と一丸となって「だし活+だす活」を盛り上げています。

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三浦さん:店頭でのPRでは、「だし活+だす活」をみなさまによりわかりやすくお伝えできるよう、レシピとともに県内産の野菜と「ほんだし®」などの当社調味料を一緒に陳列してもらうなどの工夫をしていただきました。

たとえば、「ほうれん草のトマト煮」を紹介した際には、イベントブースに青森県産のほうれん草と「味の素KKコンソメ」顆粒タイプを一緒にディスプレイしたり、野菜売り場にもメニューブックと一緒に商品を並べてもらったりしています。

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三浦さん:お得意先様である小売業や行政、大学の方とともに、県民のみなさんの健康を願って同じ方向を向いて仕事することが楽しく、やりがいがありますね。社内で推進している、地域社会と価値を共創する取り組みと共鳴することもあり、社内からも前向きな反応が多いです!

先日、当社の社長がごあいさつと今後の活動の報告をかねて三村知事を訪問した際、知事のほうからぜひ一緒に「だし活ダンス」を踊ってほしいということになり、ダンスレクチャーの時間を設ける場面もありました(笑)。

――味の素社の理念とも深く関わる取り組みというわけですね。「だし活+だす活」の取り組みに対する現時点での感想を教えてください。

二藤部さん:大学や行政、流通のみなさんと一緒に「青森県民の健康」という目標を軸に一体感をもって活動できたのが改めて自分たちの学びにもなって、とてもよかったと感じています。

たとえば、協働したレシピ考案を大学にご提案したのは、学生の方々の発想をお借りしたいという思いからでした。ところが、先方からは「学問としての意義も学生に伝えていきたい」とコメントをいただいたり、小売業者の方々からも集客の面でのアイデアをいただいたり…。

それぞれのお立場からのご意見を聞くことができる貴重な機会になったと思います。

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――「だし活+だす活」に関わるようになって、ご自身でもなにか変化がありましたか?

二藤部さん:お茶うけというと、おせんべいなどが一般的ですが、東北だと漬けものが出されることが多いんですよ。プロジェクトの担当になってからは、東北の親戚宅に訪問するとき、漬けものが卓上にあると「ちょっと塩からいんじゃないの?」と話すこともありますね(笑)。

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三浦さん:わたしは単身赴任なので多少は料理をするんですが、塩を減らしてだしをきかせるなど、減塩をより意識するようになりましたね。また、以前は肉と米をよく食べていましたが、だす活を意識し野菜をなるべくたくさん取り入れるようにも心がけています。

「おいしい食生活で気づいたら減塩に!」を目指して

――今後の活動の展望についてお聞かせください。

二藤部さん:青森県の「だし活+だす活」で得られた学びを、他県にも広めていきたいですね。「健康のために」とアピールするのではなく、「料理をおいしく食べられるように食生活を見直したら、結果的に減塩や健康につながっていた」という形で進めていければいいなと。

「塩分は少ないけどおいしくなかった」ではなかなか続けられません。メニューブックをつくるうえでも、塩分が少なくておいしいだしをきかせたレシピを広めていきたいと考えています。

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三浦さん:みなさんがイベントだけでなく、日常的に買いもので減塩や健康がイメージできるような訴求が大事だと思っています。

東北の方々の健康栄養課題に貢献するためには、減塩の商品・メニューができるだけ長い期間、売り場でみなさんの目に触れる状態をつくらなくてはいけません。それを小売業者の方々と一緒に働きかけていくことが、営業としての重要な責務であると考えています。

最終的には、東北の各県で岩手県のように県民の食塩摂取量が下がることになれば、最高ですね。

担当者おすすめ「だし活」レシピ

「好きなものがよりおいしく食べられる方法を考えて、自然に食塩摂取量を減らしていくのが、無理のない減塩テクニックです」と二藤部さん。最後に、帆立がお好きという二藤部さんに、おすすめの「だし活」レシピを教えていただきました!

■帆立と長いもの酢の物

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材料(2人分)
1人分あたり:エネルギー41kcal|塩分0.9g|野菜摂取量13g

長いも…50g
貝割れ菜…1/4パック(25g)
(A)酢…大さじ3
(A)「ほんだし®」…大さじ山盛り1
(A)砂糖…小さじ1
おろしわさび・好みで…適量
ベビー帆立(ゆで)…40g

調理手順
1. 長いもは1cm幅の半月切りにする。貝割れ菜は根元を切り、長さを3等分にする。
2. 鍋に(A)を入れて火にかけ、砂糖が溶けたら火を止める。粗熱が取れたら、好みでわさびを加えて混ぜる。
3. ボウルに(1)の長いも・貝割れ菜・帆立、(2)を入れてあえる。

帆立と長いもをお酢と「ほんだし®」であえた副菜レシピ。かつおのうま味が加わることで酢のとがった味や香りがおさえられ、味がまろやかに♪酢のものが苦手でも、酸味がやわらぐためパクパク食べられるのだとか。

はじめよう!おいしくて、やさしい減塩

青森県の「だし活+だす活」は、おいしさの先にある健康を目指すプロジェクト。おいしいく食べられて、それが健康につながるとしたら、とても魅力的なことですよね。

手軽でおいしい減塩、みなさんもはじめてみませんか?

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