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【喫茶マム】架空のお店の姿を、絵にしてみました。

想像するだけでも、どこか懐かしく、あったかい気持ちに浸れる――。「AJINOMOTO PARK」編集部のnoteでも、そんな喫茶店の持つ力をまとった企画をやってみたいと始まった、架空の喫茶店づくり。

お店自体は架空のものですが、ロゴ、店舗イメージ、看板メニューなど、さまざまなことに実際に取り組んでいき、わたしたちが思う理想の喫茶店を描いていく。そして、その取り組みの中で、味の素社のこと、味の素社製品のこと、食のことなども楽しくお伝えしていけたらと思っています。

第二回目となる今回は、お店のイメージをさらに膨らませるべく、店舗の姿をイラストにしてみることに。あれやこれやと話し合いながら、喫茶店づくりは続いていきます。

架空のお店だけど、“店構え”をつくりたい。


第一回目で、お店の名前が「喫茶マム」に決定し、名前の由来となった“菊”のイメージや、どんなお店にしていきたいかを落とし込んだロゴデザインも完成。架空ですが、お店としてのスタートを切ることができました。

今回は、ネーミングとロゴデザインの“次”を考えてみることに。リアルにお店を作るなら、私たちは物件探しに出かけ、場所が決まれば設計をお願いし、どんな外装・内装が良いかな?とお店づくりをしていくでしょう。架空のお店である喫茶マムでも、どんなお店なんだろう?と考えるときに必要だなと思ったのが、“店構え”です。

私たちが喫茶店に思いを馳せるとき、頭の中に浮かぶ映像には必ず喫茶店の空間が広がっているような気がします。ちょっと苦目のコーヒー、銀色のお皿にのったナポリタン、焼き色が美しいホットケーキ。メニューだけを思い浮かべているつもりでも、その背景にあるのは喫茶店の渋いソファや、窓にあしらわれたステンドグラス、レトロなランプ。味と共にある空間が、人それぞれの記憶として刻まれているはず。

喫茶マムも、そんな“空間をイメージできる何か”が欲しい。ということで早速、店構えはどんなものだろう?と考えていくことにしました。

ラフを⾒ながらの話し合いからスタート。喫茶マムの個性をどう表現する?


お店のイメージを絵にすることは、喫茶マムの輪郭をもう一段階はっきりさせる作業。リアルに喫茶店を感じる要素も必要だし、架空だからこそできる個性的な要素も盛り込みたい。そんな想いを詰め込んだイラストを、ロゴデザインに続いて手がけてくださったのは、グラフィックデザイナーのCKAK DESIGN 浦口智徳さんです。

リアルに物件があれば、その条件の中で進んでいく店舗デザイン。今回はまったくのゼロからなので、まずは下記のような喫茶店を象徴する要素を落とし込んだイメージラフを描いていただくことにしました。

  • 店先にある看板

  • アーチがかかった窓

  • レンガの壁

  • 懐かしいデザインのステンドグラス

  • ずらっと並ぶ食品サンプル

  • 洋風の中に紛れ込んだ瓦

  • デコラティブなランプ

  • ソファのボックス席とカウンター

浦口さんによる初回の店舗外観イメージラフ。この時点で、すでに実在しそうなリアリティに、一同感激。

外観は、お店の姿としての印象を強く残してくれる存在感があります。喫茶店を象徴する要素は、私たちが喫茶店でグッとくる要素とイコール。それを盛り込むだけでも“喫茶店らしさ”は生まれ、こんなお店に行ってみたい!という気持ちまで湧いてきましたが、ここから必要になるのが、“喫茶マム”らしさをどう表現するか?を詰めていく作業です。

どのアングルが一番お店の様子が伝わるのかを検証するため描かれた、店内のイメージラフ。

内観は、こだわりを反映した細部を表現することができます。ラフの段階でも、浦口さんの遊び心で“喫茶マムらしさ”が散りばめられており、

浦口さん「このステンドグラスの窓は、菊のデザインになっているんですよ。」
一同「わ、本当だ!かわいい!」
浦口さん「ここの壁に池田菊苗博士の肖像画を飾るのもいいですよね。」
一同「なるほど!」

という会話で盛り上がることに。

そんな風に、お店のいろんなところに喫茶マムや、味の素社、味の素社製品にまつわる何かを落とし込んでいったら面白いかも?と考えた私たち。確かに、お店に訪れるたびに「これは〇〇のかたちになっているんだ!」と発見があったり、「これに気づいているのは私だけだよね」と密かに心の中で満足感を味わったりできたら……。そんなゲーム感覚も味わえるような、遊び心ある何度も足を運びたくなるお店。それを目指し、お店のイラスト制作を進めていきました。

そして、喫茶マムの店舗イメージイラストが完成!

完成した喫茶マムの店舗イメージ。

“喫茶店らしさ”と“喫茶マム”らしさの両方を詰め込んで出来上がったのが、こちらの店舗イメージイラスト。先ほどのラフから、さらに詳細が描き込まれ、カラーリングもされたことでお店としての存在感が浮かび上がってきました。

全体のカラーは、「味の素®︎」をイメージする赤と白を基調とし、あまりリアルになりすぎないように色数はたくさん使わず、濃淡で表現。みなさんの頭の中で、それぞれの喫茶マムをイメージして欲しい。そんな想いも込めた、魅力的なお店が出来上がったのではないでしょうか。

隠れ◯◯を探せ?!喫茶マム、味の素社を象徴するモチーフを散りばめました。


さて、みなさんに楽しんでいただきたいのは、ここから。前述したように、喫茶マムのお店には、いろいろな「味の素社」、「味の素社製品」のかたちが隠されているんです。みなさんも、まずはお店全体のイラストから、隠れ〇〇を探してみてください。いくつみつけられるでしょうか?

店舗イメージの入り口ドア部分と、一階ソファ席部分。
店舗イメージの入り口上部の店名ロゴ、2階の窓部分。

答え合わせは、ここから。

1. ちりばめられた各時代の味の素®︎容器のかたち
1909(明治42)年5月20日、うま味調味料の味の素®︎が一般消費者向けに発売されたときのボトルは「薬品用のガラス瓶」でした。そこからさまざまなかたちや素材の容器を経て、現在の「アジパンダ®︎」瓶に至ります。喫茶マムのお店には、①ドア横のランプに「アジパンダ®︎」瓶、②ドア前のスタンド看板は戦時中の「段ボール紙缶」をイメージしたもの、③ドアからみえる棚に1980年代の卓上小瓶、④窓からみえる花瓶に1951年頃の30gふりかけ式食卓瓶のかたちが隠れています。

現在販売されている「味の素®︎」の「アジパンダ®︎」瓶

2.「味の素®」の広告・販促活動で使われたかたち
「味の素®︎」が発売された当初に作成された看板に使われていたモチーフ「お椀」を、入り口ドア上の庇(ひさし)と、外壁のフラワーポットに。また、味の素グループ初の商標登録となった「美人マーク」のかたちを、喫茶マムの2階外壁の看板に落とし込みました。

「味の素®︎」販売当初に使用されていたお椀のかたちの看板
味の素グループ初の商標登録となった「美人マーク」

3. 味の素社製品の“振り出し口”のかたち
お店の2階部分の窓のかたち、特徴的だと思いませんか?実はこれ、ある味の素社製品の一部分をかたどっているんです。向かって左側のマルが並んでいるのは「味の素®︎」、右側のにっこり笑った口のようなかたちは「丸鶏がらスープ™」。そう、調味料が出てくる部分「振り出し口」のかたちなんです。わかりましたか?

「味の素®︎」の振り出し口。
「丸鶏がらスープ™」の振り出し口。遊び心ある顔のようなデザインは、通称“ニコニコキャップ”。

4.“喫茶マムらしい”かたち
その他にも、喫茶マムらしいかたちも盛り込まれています。ソファ席の奥にみえるステンドグラスは、お店の名前に紐づく菊のデザインに。その横にある絵画のフレームは、池田菊苗博士がうま味を発見する原点となった、昆布がモチーフです。

もう一度、外観全体を眺めてみてください。2階にある、振り出し口型の窓に気づくはず。

みなさんは、何個みつけられましたか?知っているかたち、初めて知ったかたち。それをきっかけに、たくさんの会話が生まれる。喫茶マムには、そんなあたたかい空気が流れているといいなと思うのです。

店舗イラストづくりで⾒えてきたこと。


第一回目のネーミング・ロゴデザインでは、味の素社の歴史やストーリーを“言葉”にのせる作業でしたが、今回は“かたち”に落とし込むことがミッションでした。

味の素社製品にはさまざまな“かたち”があり、そこにも歴史がある。「味の素®︎」のボトルのかたちや振り出し口にも、たくさんのこだわりがあります。そのひとつひとつを全部お伝えしていきたいところですが、それはまたの機会に。今日から、普段何気なく使っている味の素社製品の中にあるいろんなかたちに注目していただけるとうれしいです。

次回は、いよいよ看板メニューをつくります!


店舗が出来上がったら、次はいよいよメニューを考えていきます。喫茶マムでしか食べられない看板メニューも。喫茶マムの連載至上、最もお腹が空く回になること間違いなし!お楽しみに。

参考記事:
「味の素®」容器の変遷
「味の素®」はこうやって広まった!~鈴木三郎の広告・販促活動
「味の素®」は実は"味の元"だった!初の商標"美人マーク"とは?



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