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開発ストーリー ファンの声で進化する「鍋キューブ®」

2012年の販売以来人気を集めている、キューブタイプの鍋用調味料「鍋キューブ®」。一個1人前のキューブが8個入っているから、家族や仲間と食べたいときも、一人で食べたいときも鍋料理が楽しめると話題です。

2021年には、キューブタイプのおでんの素「鍋キューブ® おでん本舗」 <あごだし醤油>を発売。調理に時間がかかるおでんが、より気軽に自宅で楽しめるようになりました。

これまでになかったあたらしさ・便利さから、発売から10年が経った現在も売上を伸ばし続けている「鍋キューブ®」シリーズ。しかし、開発当時はいくつもの壁にぶつかったそうです。液体タイプが主流だった鍋つゆ市場の中で、新しい形の鍋用調味料を開発するにあたっての開発秘話とは?担当者の梶さんと久貝さんにお話を伺いました。

小さいキューブにおいしさがギュッ!


——「鍋キューブ®」シリーズの特徴について教えてください。

梶さん:なんと言っても、小さなキューブの中にだしや調味料がギュッと詰まっているのが一番の特徴ですね。「鍋キューブ®」は一袋8個入り。でも、一個8gと軽いからたくさんお買い物したいときもかさ張らないし、買い置きにも便利。液体タイプの鍋の素を買うときは牛乳を買うのを諦めていたけど、「鍋キューブ®」ならためらわずに牛乳も買えるって喜ぶ声もいただいているんですよ。

——なぜ、キューブタイプの鍋の素を作ろうと思ったのでしょうか?

梶さん:これまでの“鍋の素”は液体タイプが主流でした。液体タイプはそのままお鍋に注げる手軽さはありつつ、「かさ張る」「重い」「持ち運びづらい」という課題があって……。また、1パック3〜4人前というものが多いため、家族の人数によっては「つかいづらい」という声もありました。

久貝さん:一人暮らしや夫婦二人暮らしのご家庭には多すぎるし、二世帯や子どもの人数が多いご家庭だと足りないことも。家族の人数は4人だけど、子どもが成長期で一人で2人前食べるという場合には、1パックじゃ足りないですよね(笑)。

梶さん:そんな背景もあって、コンパクトかつどんな家族構成にも柔軟にあわせられるものを作りたかったんです。誰も思いつかなかったような、便利でハッとするようなもの。

——そうして生まれた「鍋キューブ®」。生活者の方の反応はいかがでしたか?

梶さん:発売当初からすごく話題になりましたね。話題になりすぎて、発売と同時に欠品が相次いだくらい。最初は手作業で袋詰をしていたのですが、それでは生産が追いつかなくなってしまい、慌てて専用の機械を導入しました(笑)。

久貝さん:通常、新商品は初年度1億円を売り上げたら“よく売れた”と評価されるのですが、「鍋キューブ®」は発売初年度10億円も売り上げたんです。その後も順調に売上を伸ばしているのも特徴ですね。

——すごい!しかし、おもしろさやインパクトが強い商品の場合、最初はよく売れてもその後の売上に伸び悩む印象があります。そんな中、なぜ「鍋キューブ®」はロングセラー商品となったのでしょうか?

久貝さん:おそらく、「鍋キューブ®」も最初は“おもしろさ”や“あたらしさ”で購入してくださった方が多かったはず。でもそれだけだと、一度食べたら飽きてしまう。リピートしてもらうために重要なのは、シンプルに“おいしいこと”です。「鍋キューブ®」はおいしさにも徹底的にこだわっているから、長く愛されているのだと思います。

長年調味料を研究する、味の素社だから開発できた商品


——「鍋キューブ®」のおいしさは、どのように作られているのでしょうか。

梶さん:味の調査のために何軒も食べ歩きしたり、シェフに最高の鍋料理を作ってもらい、そこからどんな素材をどんな工程で組み合わせればプロの味に近づけるか試行錯誤したり。開発部門だけではなく、いろいろな方の手をお借りして“おいしい味”を作っていくんです。

——苦労して再現した“おいしさ”を、小さなキューブの中に閉じ込めるのは大変だったのではないでしょうか?

梶さん:大変でしたね……。今のサイズから2倍くらいの大きさなら、調味料やだしをたっぷり入れられる。でも、大きい分お湯に溶けづらくなってしまって……。

現在のコンパクトさとおいしさを両立できる技術が開発されるまで2年はかかりましたね。

——開発に2年間も!?

梶さん:小さいキューブに閉じ込めようとして成分を固めすぎると溶けなくなってしまう。かといって溶けやすさを重視すると、もろくて少しの衝撃でキューブ型が崩れてしまう……。

その課題を解決してくれたのが、味の素社の人気商品のひとつである、キューブタイプの「コンソメ」です。コンソメも、小さいキューブの中においしさをギュッと閉じ込めている技術で作られているもの。コンソメの技術を応用しつつ、それだけでは足りないところを工夫を重ねて補うことで、ようやく「鍋キューブ®」が完成しました。

生活者の方のニーズが高いと分かっていても他社から類似商品がほとんど出てこないのは、長年調味料の研究をしている味の素社独自の開発技術で作っているからだと思いますね。

生活者とのコミュニケーションからアイデアが生まれる


——見た目の“おもしろさ”、“あたらしさ”と、“おいしい”を両立できていることが、ロングヒットの理由なのですね。「鍋キューブ®」は現在5種類のラインナップが販売されています。ラインナップはどのようにして決めているのでしょうか?

梶さん:汎用性のある味を意識しています。鍋はもちろん、スープやうどん、ラーメンにもおいしくつかえるような。

——たしかに、「鍋キューブ®」は鍋料理以外にもいろいろな料理で活用されている方が多いですよね。

久貝さん:そうなんです。でも、はじめから「鍋料理以外でもつかえること」を想定して開発されたわけではないんですよ。

発売後、お客さまから「スープを作るのにも便利!」「チャーハンを作るときの調味料としてもつかえます!」とたくさんのお声をいただいて。「こんないろいろなつかい方があるのか」と社内でも話題になり、それから“汎用性のある”味であることをより重視するようになりました。

「鍋キューブ®」は、生活者の方とのコミュニケーションによって進化しているブランドです。実は、昨年新しくラインナップに加わった「鍋キューブ® おでん本舗」<あごだし醤油>も生活者の方の声から生まれたものなんですよ。

——生活者の声から新しい“味”が生まれた?

梶さん:そうそう。SNSで「鍋キューブ®」を活用したレシピを投稿くださる人がとても多いんです!それを見ていると、<鶏だし・うま塩>でおでんを作っている人がたくさんいらっしゃって。

おでんは日本の伝統料理ですが、仕込みに時間がかかるため自宅で作る方が年々減ってきています。でも、SNS上では「鍋キューブ®」を活用したオリジナルのおでんレシピがたくさん出てくる。その様子から、おでんを作りたい人って実は多いんじゃないかなと思い……。

「鍋キューブ®」に“おでん味”があれば、よりおでんを気軽に作る方が増えるのでは?そんな思いから開発したのが、「鍋キューブ® おでん本舗」<あごだし醤油>なんです。

久貝さん:「鍋キューブ® おでん本舗」のすごいところは、煮込み時間が通常の半分以下ですむところ。約1時間かかると言われる煮込み時間が、なんと20分ですむんですよ!

梶さん:ずっと下降傾向だったおでんを自宅でつくる頻度も、「鍋キューブ® おでん本舗」の発売後に増えてきているんです。また、「鍋キューブ® おでん本舗」をつかったオリジナルメニューもSNSにどんどん投稿されています。開発担当であるわたしたちも想像しなかったようなつかい方が、生活者主体で生まれるのも「鍋キューブ®」の特徴ですね。

これからも、生活者の方とコミュニケーションを取りながら、その時代のニーズにあったものを届けていきたいです。

「鍋キューブ®」で子どもが野菜を食べるように?開発担当者オススメレシピ


——「鍋キューブ®」はどんな方にオススメですか?

久貝さん:すべての方にオススメなのは前提として……野菜が苦手な小さいお子さんがいるご家庭には特にオススメしたいんです!わたしもふたりの子どもがいて、野菜の栄養をとってもらいたいと試行錯誤してきたのですが、生野菜のサラダだと「量が多い」、野菜炒めだと「固くて噛み切れない」と食べてくれなくて……。

でも、「鍋キューブ®」で作った具だくさんスープだと、野菜もたくさん食べてくれるんです。スープにすると野菜のかさが減るし、やわらかくなるから子どもでも食べやすいのだと思います。また、「鍋キューブ®」はどのラインナップもおだしの優しい味がするから、安心して食べさせられますね。

——「鍋キューブ®」で具だくさん野菜スープとは、どのように作るのでしょう?

久貝さん:冷蔵庫に余っている野菜と水、そして人数分の「鍋キューブ®」を火にかけるだけです。野菜を切る元気もないくらい疲れているときは、スーパーやコンビニで売っている袋入りのカット野菜をつかうことも。すごく簡単なのですが、「鍋キューブ®」のおかげでだしのうま味がしっかり効いたおいしいスープになるんですよ。

——簡単でおいしそう!ほかにも、「鍋キューブ®」をつかったオススメレシピを教えてください。

梶さんオススメの「あごだし醤油のかき卵うどん」

久貝さん:わたしのイチオシは「鶏とキャベツのうま塩バター煮」。鶏もも肉とキャベツとバター、そして「鍋キューブ®」<鶏だし・うま塩>で作れる主菜です。<鶏だし・うま塩>の旨味が野菜にもお肉にもしっかり染みてすごくおいしいんです!味の素社内でも人気のレシピなんですよ。

梶さん:うどんもオススメですが、わたしがよく作るのはチャーハンですね。冷蔵庫にある野菜を切って、卵とご飯、そして「鍋キューブ®」を一緒に炒めるだけ。家にあるもので簡単にできるので、リモートワークのときのお昼ご飯にオススメです。

久貝さん:鍋料理はもちろん、汁物にも、主菜、副菜にも、そしてうどんや炊き込みご飯にもつかえるのが「鍋キューブ®」のすごいところ。「鍋キューブ®」ひとつでいろんなメニューが作れるので、お子さんがいるご家庭に限らずたくさんの方に活用いただけるとうれしいです!

「鍋キューブ®」で、簡単手軽においしい味付けを


今年発売10周年を迎えた「鍋キューブ®」。長く愛される秘訣は、時代にあわせて生活者の方のニーズを敏感にキャッチし続けているからでした。

鍋料理も、おかずを作るときも。「簡単に、おいしい味付けがしたいな」と思ったら、ぜひ「鍋キューブ®」を試してみてくださいね。


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